2016年7月15日金曜日

ニースのテロは 「パリ祭」で反イスラム的にキリスト教文明を驕って謳歌したから



7月14日の「パリ祭」の夜の花火大会は素晴らしかったのです。私の昔から知っている人がラジオ・フランスのコーラスに所属していてエッフェル塔前のシャンド・マルス広場で開催されたフランス・音楽祭で歌をうたっていた。その中にシラーの詩によるベートベンの第7番「合唱付き」をマルセーユ国歌の前にやったのです。これはドイツの国家だけでなく欧州議会の歌になっていたかと思います。7月14日の「パリ祭」の花火大会で何故これを謳ったりしたのか?これはキリスト教文明を奢って謳歌した曲ではないか。ニースのテロ事件はこの時に起こった。おそらく同じ時刻だったと思います。これからパリの花火大会が開始されようとしていた夜11時少し前のことです。45分ほど続いた花火は大変に素晴らしく、これではイスラム主義者はエッフェル塔を必ず狙うだろうと思えたものです。その位に高らかに自由のフランスを表現する花火でありフェスティバルの合唱であったのです。あまりに挑発的なコンサートを華々しくパリでやった。人間が楽しむ世界を憎むのですから。いずれパリのエッフェル塔が狙われることはほぼ確実でしょう。そのくらいに凄かった花火です。ニースの花火大会もパリと同じようにイスラム原理主義者には面白くないものなのです



。私たちは何故パリがそしてフランスがテロリストに狙われるのかを、よく知っている。それはフランスがイスラム主義者のテロ殺害を許さないからで、イスラム批判を続けるからまたテロに襲われるのだと主張する人は日本にも多かったわけです。その辺がフランス人と日本人や英国人との根本的なダエッシュ=イスラム主義国家組織(IS)に対する態度の違いなわけです。世界でも珍しい国の一つなわけです。

7月14日のオランド仏大統領の発言では、大統領はドゴールを見習って悲劇の死を賭さないとも言っている。ここが他の最近のフランスの大統領には見られない凄い所ですが、非常に危険でもあるわけです。

しかしテロリストの原因はそういうことも一応は言えるわけだが、それだけではないと考えます。例えば英国は欧州離脱を国民投票で選択したのは難民問題を嫌ったからであって、財政や経済面ではヨーロッパにくっついていたいと考えるB 、ジョンソンや今度の英国首相などはエゴ丸出しの恥ずかしい餓鬼界の人達です。これは指導者もそうだが国民もそうだということです。欧州共同体での難民分担に反対だからで、これはポーランドやオーストリアやハンガリーなどにも言える。勿論フランスの中にも右派の中にはそういう人種差別をしたい人が多いわけで、基本的には倫理観の欠落の問題です。

ニース地方というのは、パッカ(プロヴァンス・アルプス・コートダジュール)地方の中心で極右翼の強いところであり、このバッカ地方議長でニースの市長クリスチャン・エストロジィChristian Estrosi氏というのは、サルコジ前大統領の友人でサルコジ友の会の会長もしている。

このエストロジィ氏は、ペンの極右派系国民戦線(FN)にこの前の地方選の第一回予選では負けたのです。「共和党」(LC)議長のサルコジは、予選第三党との共闘を禁止していたのです。しかし社会党(PS)は極右FN防衛が優先だと考えてエストロジィ候補を押すことことを決めて、「共和党」(LC)を支援した。それで決戦投票で、予選第一党のFN候補にエストロジィは勝てたのです。そういうケースがフランス全国で3、4カ所あったのです。ところがこのエストロジィは他所のペックレスやベルトランと異なって、社会党(PS)の恩を余り意識していなかったところがあった。

土地柄として右派勢力の多い所がニースであるが、同時にニースは移民が裏町に行くと非常に多く、シリア帰りのイスラム聖戦主義者も多いと言われていて、イタリア国境に近いことで陸路での移民の入り口となっていることで緊張が高まっていることもある。

テロリストの原因は、欧州文明のキリスト教とイスラム教の原理主義との戦いということもあるが、それだけではなく、両者の根底に共通したエゴイズムな難民排斥の人権軽視と人種差別の思想があるということなのだ。これは日本の神道にかぶれている人達にも共通する所だと言える。外来性の思想を嫌った物部は神を崇め、仏教を排斥した。現在では、仏教を誤って解釈する創価学会・公明党などが、神道の本拠地である伊勢神宮や靖国神社に詣でる安倍晋三首相を友として腹合わせをしていることからも言えるのである。広くいえば、テロリストはなにもイスラム原理主義者だけが起こすのではないということなのである。(パリ=飛田正夫)(文字数 ;1919)(投稿日本時間 ;2016/07/15午前11時49分)

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