2016年7月26日火曜日

ニースの女性警官の誹謗中傷が嘘か真実かを糾すのは 仏では世論調査が裁判代わり

(パリ=飛田正夫)7月14日のニース市での大型トラックを使ったテロ84人殺害事件で、ニース市の女性警察サンドラ・ベルタン(Sandra Bertin)さんが、ニース市の設置した監視カメラに映った事件当日の国家警察と市警察の配置数などで、仏内務省が直接に圧力をかけて来て変更を要求したのだと訴えていた。これに対して、ベルナール・カズヌーブ仏内相はこの女性警察の発言は、事実ではなくて政府を批判する誹謗中傷の嘘であるとして、逆に裁判に訴えることにした。政府への誹謗中傷の嘘、讒言の謀略を追及する中で、オランド大統領やマニュエル・バルツ仏首相の内相支持が表明されて、この女性警察サンドラ・ベルタンさんへのメディアの追求もあってか、彼女が受けたと主張する7月15日の内務省からの圧力というのは、誰からであるのか具体的に答えが出せないまま、警察関係者からの圧力であったかもしれないなどと曖昧な態度になって、内務省からだと訴えていた前言が嘘であることを認め、翻すような発言へと変化していた。7月26日朝に可笑しなニュースが国営ラジオ・フランス・アンフォで流れて私は非常に驚いた。それは、ニースの女性警官の誹謗中傷が嘘なのか真実なのかを、ある世論調査会社が統計を採って国民の判定を報道しているのであった。


フランス国民の多くが両陣営ともその品位に欠けると見ていると解説し、政府にはもっとテロ対策でやり残していることがあったと解説してみせたのである。しかしこれは、事実を出さずに数で正邪を決定する如き可笑しな嗜好なのだ。民主主義というのは、事の正邪を多数決で決める事ではないだろう。

調査会社の社長が話していたが、この人の頭脳に首をかしげざる得ないだろう。そういう仕事は、世論調査会社のすることではなくて、これは裁判所の仕事なのだ。統計を出して決めることではないのである。実はこういう世論調査会社の誤った報道が、世の中の正義を破壊し、国にテロを認め讒言を正として許し事実を消すことになっるのである。テロや悪事を最終的に推奨することになるのである。

この女性警官は、PACA(パッカ)プロヴァンス・アルプス・コートダジュール地方議会議長で、ニース前市長のクリスチャン・エストロジィ氏の熱心な支援者で政治的色彩が強いとされている。7月14日の事件があってからこの女性警察の書いてきたFBやツイッターを14日から15日にかけて消した人である。一部が発見されていて、彼女が熱烈なエストロジィ支持者であることがわかる。彼女は市警として急速な昇進を遂げてニース市警の中心者になった人だ。  (文字数 ;1014)(投稿パリ時間⇨2016/07/26午前8時/42分=日本時間⇨2016/07/26午後3時42分)