2016年9月6日火曜日

13の起訴を持つサルコジに パリ検事が裁判所出廷を要求

9月5日、30日の家宅捜査の後で、パリ検事はニコラ・サルコジを、2012年の仏大統領選挙不正資金隠蔽事件(ビグマリオン事件)での公共資金横領罪などで、裁判所への出頭を要求する宣言をした。家宅捜査資料からサルコジのビグマリオン事件での運動費用超過と帳簿上での隠蔽が指示されて、この事件への完全なる関与があったとルモンド紙などは見ている。サルコジは既にこの事件の以外にも権力関与や汚職、盗聴、職業的機密侵害、最高裁判所からの情報提供と引き換えにモナコ高官のポスト交換を裁判官と取引する事など13の別件で起訴されている。しかし今や政敵となったフランソワ・フィヨン(元首相)などは、誰が一体ドゴール将軍の起訴を一瞬でも想像できた人がいるというのだろうか?フィヨンは疑わしきは罰せずではあるがとしながらも、サルコジを批判している。リベラション紙は英国の裁判の世界では考えられないことだとサルコジ批判し、悪いのはフィヨンでなくサルコジのばかさ加減が問題なのだとしている。

ニコラ・サルコジの元弁護士チェリー・ヘルゾーグはサルコジの2012年の仏大統領選挙運動費を偽造請求書で誤魔化していたことを否定した。共和国フランスの歴史では、13の起訴を抱えた前大統領が再度仏大統領選挙に出馬を希望しているというのは過去になく、特異な人物として仏国営ラジオ・フランス・アンフォなどもニコラを救うべく特別扱いで報道しているようだ。

これが来年2017年の仏大統領選挙に出馬を希望しているためにフランス社会はモラルを超えた異常な分裂があちこちに出てきている。サルコジは2月に起訴されて2012年の仏大統領選挙上限許容額の2倍以上を超える出費が意識的に隠されて縮小化がなされていたことが指摘されていた。

サルコジは2日間に渡る同党「共和党」(LC、前の国民運動連合UMP)の夏期講習会を昨日終了したが、有力候補のアラン・ジュッペ現ボルドー市長(元首相)やフランソワ・フィヨン(元首相)の発言とはことなり、マリーヌ・ペンの極右派系国民戦線(FN)の票に食い込む発言をしてますます右傾化するサルコジの、首を前後左右に振り手を巧みに痙攣させて、注意を喚起する特異なサインを演出する姿がみられた。



フランスの2017年の大統領選挙の共和党党内代表選出投票(プリメー)は11月20日と27日に予定されている。これでサルコジが選ばれれば大統領選挙中の裁判が候補者は免除されるために、逃げ切る構えで全力を挙げての戦いとなっている。サルコジはとにかく違法でも起訴されても嘘でも真実でもこの予選に勝てなければ、サルコジには裁判が目白押しで待っている。これはフランスにとって憂うべき事態なのである。