2016年9月13日火曜日

バルツ仏首相が指摘 ブッシュとサルコジのテロ恐怖政治は誤り

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎13/‎09/‎2016 01:52:42)マニュエル・バルツ仏首相は、サルコジ前大統領は米国のブッシュ前大統領と同様に11.9以降のテロを利用した市民に恐怖を拡大し支配する政治というのは、認識を誤ったと厳しく批判した。「共和党」(LC)のサルコジこそが、2002年の仏大統領選挙の第一次投票と第二次決選投票との間でトールーズとモントーバンで急激に起きた連続殺人事件の「メラ事件」を、一匹オオカミとして恐怖を湧き立たせたのである。サルコジはフランスの警察官を16000人も減らし30万人もの公務員のポストを削減した。安全対策の予算も削っていたので、国の安全が弱化させられていたのであったと発言し、これこそが、テロの恐怖を市民の間に拡大させた真の張本人であると、サルコジを厳しく批判している。そして、憲法を変えようとした誤りを、11日朝にラジオ・ヨーロッパ1・仏経済紙のレゼコー・民法テレビiTéléの共催番組グラン・ランデブー« Grand Rendez-vous≫のインタビューで語った。
9月11日掲載の「日曜新聞」(JDD)で、サルコジがオランドの政治を批判して「国権の現実的脅威に対する適応」を訴えていたからだ。オランドはテロ対策を何もしなかったとの以前からの誤ったサルコジの見解にバルツが反論したものである。つまりこれは、フランス人の受ける恐怖を前に国権を曲げる方法のことで、イスラムのテロの前で憲法を改正しようとすることだ。サルコジが権力の座にあればテロは起こらなかったかのように信じ込ませようとしたのだとバルツは話している。
これは最近のイスラム女性の海水欲水着を禁止する新法律を制定しようとするサルコジらの動きとも関係していて、9月8日にオランド仏大統領は、イスラム教徒を取り締る法律は作るべきではないと、サルコジ等に言い聞かせていた。バルツはサルコジが非人間的提案でフランス人を分断していると弾劾している。
11.9のアルカイダのテロ襲撃では3000人近くが死亡したことで、ブッシュ元大統領は祖国愛的行為から米国を脅威させるテロリスト収容のグアンタナモ収容キャンプ(Guantanamo)を開設することをしたが、これは人権の基本的権利に抵触する違法なものとなっただけでなく、米国をテロリストの脅威とテロ行為から保護することにはならなかったとバルツ首相は指摘している。サルコジがフランスにグアンタナモ収容所のようなものを作る発言をしていることに厳しく釘を刺した。
バルツはサルコジがテロリズムを利用してフランス人に恐怖を持たさせて、そこから誤った恐ろしい政治を行おうとしていることを嫌悪している。特にサルコジが提案している「テロリスト特別法廷」の創設に、バルツはその提案の野蛮さとフランス人分断化の意図を批判している。


【参考記事】
http://information.tv5monde.com/en-continu/terrorisme-pour-valls-sarkozy-se-trompe-comme-bush-apres-le-11-septembre-127630
http://www.lejdd.fr/Politique/Pour-Valls-Sarkozy-s-est-trompe-en-2012-sur-la-menace-terroriste-808696
http://information.tv5monde.com/en-continu/terrorisme-pour-valls-sarkozy-se-trompe-comme-bush-apres-le-11-septembre-127630
http://www.francetvinfo.fr/monde/usa/video-etats-unis-en-garde-a-vue-un-homme-soupconne-de-meurtre-s-echappe-par-le-toit_1819193.html
http://www.huffingtonpost.fr/2016/09/11/valls-sarkozy-attentat-terrorisme-_n_11960906.html
http://www.europe1.fr/politique/manuel-valls-sarkozy-sest-trompe-en-2012-sur-la-menace-terroriste-2843497