2016年9月6日火曜日

ドイツ首相メルケルの難民ユマニテ政策が 選挙で保守に敗北

4日の行われた地方選挙で、ドイツ低地と呼ばれる極北部のメクレンブルク=フォアポンメルン州では、メルケル独首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU)は19%で、この旧東ドイツの地方を支持母体とするドイツのための選択肢(AfD)21%の台頭の前に大敗した。連立内閣を構成する社会民主党(SPD)は30、5%であった。AfDは反欧州反ユーロを掲げ、競争の無い均質経済圏金融連帯を目指すユーロ改革ポピュリストの保守陣営で、メルケルが負けたのは昨年来の難民受け入れへの批判で、近く数カ月後に迫っている総選挙への警告だと受け止められている。ドイツ=オーストリア国境のハンガリー側でストップされている難民の人権的な状況は最悪で、今日、ドイツがユマニテ救済を先とて、これらの難民を政治的課題とし優先的にしていることに疑問が生まれ、欧州嫌いの反移民勢力が台頭してきている。

ドイツの難民受け入れ反対者の多くは、フランスのプロテスタント信者のミッシェルロカー元首相が主張していたような「我々は世界の総ての不幸を受け入れることはできない」とでも考えているのだろうか。ユマニテは総ての人に対して平等に開かれているはずだろう。ここに西欧のヒューマニズムの2枚舌になる限界がある。 

しかしメルケル首相は極右翼からの脅迫にもめげず、2015年の100万ほどの難民受け入れを正当に良い事だったと評価していてその態度を崩していなく、今後はまだ正規の滞在許可を受けてない者達の役割が重大になってくると語った。110万人の難民受け入れがあって、その45万人が滞在許可を受けているらしい。40%が送り返される。10%ほどは戦争の国からやってきていて、病気だからと言って送り返すのは出来ないとしている。統計が複数あって明快にはわかってないという。1月からでは35000人が帰国している。現在のところ45000人が自主的な帰還補助金を受けて帰っている。


中国のG20訪問の折りでのインタビューでは、この敗北は自分に責任がある。信頼を取り戻すように今後、再考して行くと話している。