2016年9月26日月曜日

オランドが初めて承認 サルコジ等が見捨てた仏補兵アルジェリア人アルキ責任

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎26/‎09/‎2016‎‎-09:54:46)9月25日、「アルキ追悼の日」を記念してオランド大統領はパリ左岸にあるアンヴァリッド廃兵院でアルジェリア戦争で仏軍に加担してアルジェリアで戦後に報復で虐殺されたり、また非人間的な条件でフランスに移送されてきたアルキ( harki)と呼ばれる人達に対して、フランス政府の無責任性を承認する講演をした。これまでのどの仏大統領もアルキに対するフランスの責任を認めることはしなかった。「これが真実であり」「残忍なことだ」とオランド大統領は話した。今フランスで話題の、サルコジが外国人の適応・同化を求めるサルコジの「ガリア人先祖」の主張は、「フランス人の先祖はガリア人」というモデルへの同一化(アイデェンティティ)の政治である。一方このサルコジの主張を批判したバルツ首相などがいうのは、フランスは移民・難民の混血(メティス)国でサルコジ的な人種差別を既に回避していると言える。サルコジの政治は常にこの人種の違いを利用するようだ。そこで疑問が残る。祖国を裏切ってフランス国の見方になった者は、フランス人になって、アルキのように彼等の先祖は「ガリア人である」とサルコジはここでも言いたかったということである。

この話は、アンヴァリッド廃兵院に招待されたサルコジ前大統領も、彼の5年間の在任中には、アルキに対するフランス国の責任を承認などしなかったからである。2012年4月になって、一週間後に迫る第一次大統領選挙投票日を前にして初めて、この話しをしたが、サルコジは本当にアルキの事を考えていたとは思えない。彼は落選した。

しかしサルコジは先週9月24日に地中海のスペイン寄りのぺルピィニョン市で講演して、アルキの事件はフランス人の総てのものであり、(・・・)我々の国旗にはその血痕がしみついて残っているのだと話した。

そこでサルコジは、9月19日の「フランス人の先祖はすべてガリア人」発言が、同党の議員からだけでなく、メディアや有識人からも散々に批判されて、失言していたことがわかったのだろうか?

外国人が、フランス人になったときから、先祖はガリア人になると主張した背後には、彼の意識に外国人への人種差別的な、「排除と同化」という本当の主張が隠されていたのだと見るべきだろう。

だからサルコジは、アルジェリア人のアルキも、ガリヤ人が先祖になるのであって、それは血縁によるものではないのは当然だとしながらも、それ(フランス人になったときから、総てガリア人が先祖になる)のサルコジの主張とは小説的なロマン的な話し次元では正しいのだと見て、否定していないのである。19日のサルコジ自身の失言をホローして見せている。

昨日24日、そのホローの為に、おそらくはサルコジはぺルピィニョンに多く住むアルキを集めて講演したのであった。祖国を裏切ってフランス国の味方になれば、フランス人であり、先祖は「ガリア人である」とサルコジは考えているのであろう。これはサルコジ自身の事のようでもあり、本当に幸せな人種差別問題の解決にはなっていないようだ。自分の受けた不幸の試練を他の外国人に強いようとしているようにも思える。。

報復で犠牲や棄民になったアルキは75000人もいるという。フランスが受け入れたのは50000人程だと見られている。現在のアルキの遺族集団は50万人程だと言われている。

【参考記事】http://www.lemonde.fr/politique/article/2016/09/25/francois-hollande-reconnait-la-responsabilite-des-gouvernements-francais-dans-l-abandon-des-harkis_5003061_823448.html

http://www.ladepeche.fr/article/2016/09/25/2426000-sarkozy-que-la-france-redevienne-la-france.html