2016年9月29日木曜日

マレーシア航空機NH17墜落は ロシア製ミサイルでウクライナ蜂起側領から発射 初の司法調査発表

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎29/‎09/‎2016-14:59:22)28日、2014年7月14日にウクライナ東部でロケット・ミサイルで墜落させられたマレーシア航空機NH17Boeing 777の司法調査結果が初めて記者会見で発表された。そこでは、ロケット・ミサイルは、飛行機を撃ち落とす前にロシアから搬入されていたとオランダの検事は証言している。調査結果から結論できることは、BUK軍事ミサイル・システムはロシア連邦領からウクライナ東部の親ロシア派の反体制蜂起側領に搬入されたもので、そこで発射された後に再びロシアに戻された。調査官の責任者の一人であるウィルベート・ポーリッセン(Wilbert Paulissen)氏は、写真、ビデオ、証言などの資料や電話通信会話情報の分析から、BUK軍事ミサイル・システムの運搬経路を割り出して、ミサイルが発射されたのは蜂起軍領内からであったと調査から結論されたと発表した。ルモンド紙などが報道した。

調査の運営者の一人であるフレッド・ヴエステルベック( Fred Westerbeke)氏も、BUK軍事ミサイル・システムは百人ほどによって運搬がなされ操縦されたと証言している。
ロシアの外務大臣はこの初の司法調査の結果発表がロシアの直接の関りを示していることから、これに対し反論した。

28日、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitri Peskov)スポークスマンは、ロシア側は補足情報の提供を調査者側に提出していた事実を強調して、その情報には不鮮明なものはなく、その情報の中ではミサイルは無かった事を認めている。従ってミサイルがそこにあったとしたのならそれは別の場所から撃たれたものだと発言した。

ウクライナ東部の親ロシア派の反体制蜂起側では、それを所持してないのだから撃てるわけがないとして、マレーシア航空機NH17へのBUK軍事ミサイル・システムでのミサイル発射を否定している。ロシアはこれに関し調査には失望したバイアスがかかった政治的偏向だと告発した。もしロシア側とウクライナ反体制蜂起側の意見を受け入れるならば、マレーシア航空機NH17はミサイル攻撃で墜落したことにはならなくなるということだ。

オランダで昨年なされた別の調査では、ロシア製造の対空ミサイルシステムBUKによって分離主義反政府蜂起軍側の占領地から発射されて撃ち落とされたという結論がでてはいたが、犯行者の確認は無かった。

【参考記事】
http://www.lemonde.fr/europe/article/2016/09/28/le-missile-qui-a-abattu-le-vol-mh17-en-ukraine-avait-ete-tire-depuis-un-secteur-controle-par-les-separatistes-prorusses_5004881_3214.html