2016年10月26日水曜日

米夫婦オルセー美術館に魅せられ ナビ派の絵画69点など600点のコレクションを寄贈

(パリ=飛田正夫 日本時間‎26/‎10/‎2016;‎‎-02:38:12)米国人マルリンヌさんと夫のスペンサー・ハイエさん夫婦はオルセー美術館に彼等の絵画・デッサン・彫刻など600点に及ぶコレクションが寄贈されることが発表された。その内の69点がボナールやヴィイヤー、ランソンなどのナビ派の絵画を含む187点で(現価格にすると15000万ユーロ約22億5千万円相当が第一期としてオルセー美術館入りする。その数に於いてまた均一さにおいてフランスの1945年以降の歴史では、外国人寄贈による最大規模のものとなったと21日に文化相から発表された。美と芸術擁護に尽力した功績を讃えレジョンドオヌール勲章が贈られることになった。

夫婦はテキサツ州の質素な家系の出身で美術品の世界的に知られるコレクターになる事などは予想してなかったという。夫婦はフランス絵画を知る前は米国の19世紀そして20世紀絵画に興味をもったという。

19世紀と20世紀の橋渡しとなる現代絵画のナビ派のコレクションに関心が移っていった。しばしばそこには日本趣味を愛した画家やマルケなどがいて19世紀のパリの風景が描かれ、二人は思い出深きパリの劇場やカフェで散策したりして過ごした時間を呼び覚ますベルエポックの絵が好きだったという。

夫婦はオルセー美術館近くのグルネル通り(rue de Grenelle)にある歴史的個人住宅をモデルにしてテネシー州のナッシュビル(Nashville)に自分の家を建てて、そこに彼等のコレクションを飾って住んでいたという。こういう事があって、彼等夫婦の死後に絵画がオルセー美術館入りしたのは無関係ではないということだと文化相はいう。

ハイエ夫婦にとってはフランスは第二の故郷でありオルセー美術館をこよなく愛していたのは勿論、15年以上に及ぶナビ派愛好家達との友情の結晶だとしている。

去年の3月にオルセー美術館館長ギィ・コジェバル(Guy Cogeval)氏が寄贈の確認を受け取った時にこの米国人は、「私の宿願が適った思いです」「北米の美術館に飾るよりもオルセー美術館に置かれるほうがより多くの愛好家の眼をたのしませることになるでしょう」とその思いを託していたという。

【参考記事】
http://www.lesechos.fr/industrie-services/mode-luxe/0211422202155-la-donation-hays-va-enrichir-le-musee-dorsay-2037057.php
http://www.lesechos.fr/industrie-services/mode-luxe/0211422202155-la-donation-hays-va-enrichir-le-musee-dorsay-2037057.php
http://www.leparisien.fr/culture-loisirs/orsay-ce-couple-de-texans-derriere-le-plus-gros-don-fait-a-un-musee-francais-depuis-1945-21-10-2016-6237120.php
http://www.lesechos.fr/industrie-services/mode-luxe/0211422202155-la-donation-hays-va-enrichir-le-musee-dorsay-2037057.php
http://www.france24.com/en/20161022-france-american-couple-donates-art-worth-350-million-musee-orsay-paris