2016年10月3日月曜日

テロに襲われるパリやニース 歓楽的世界のショーウインドーの破壊

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎03/‎10/‎2016‎‎-05:48:58)フランスのホテル利用者が地方によって格差のコントラストが大きいのは、特に外国からの観光客がこれまで多かったパリやニースだが、ここはテロリストによる悲惨な殺害事件の現場が連続したことから危険視されて再度のテロ襲撃事件に巻き込まれることが敬遠されている。観光客が寄り付かなくなっていることが最近の調査からわかったのだという。何故テロリストたちが世界の金持ちの集まる地中海のニース(7月14日のパリ祭の日)やパリのサンドニのサッカー場フランス競技場とバタクランホール(2015年11月13日)を狙ったのかは、観光客もありホテルも賑わうリヨンやボルドー、モンペリエなど地方都市の好況に比べれば一目瞭然で、そこがイスラム国家テロリスト組織(IS)の嫌悪する資本主義社会の繁栄の歓楽的世界のショーウインドーであったからである。


なぜパリとニースが狙われたのか、しかもそれらの場所が特異な性格であったことに原因があることを考えるべきでその原因は説明していない。結果だけが報告されているわけだが、その原因は隠されているようだ。


彼等の価値に反し憎悪した場所であったということだ。しかもその中でもバタクランホールやサンドニのフランス競技場は、人間が楽しむという価値を堪能している格好の標的であり、地中海の「イギリスの人散歩道」林立する豪華ホテルの中でもネグレスコホテルはその代表格で、その前をトラックを暴走させ花火大会で散歩道に集まった人達が轢き殺されたのも同じことである。


フランスはその逆をつまりテロリストたちの考えとは逆の価値である資本主義の歓楽的自由を謳歌するという価値観を守る為にまたこれを主張しそこから退こうとはしない。退くことは必要ないとしても、その暴走した行き過ぎた拝金主義者の集まる観光地がテロリストたちの標的になったことは知っておくべきことだということだ。
拝金主義者を喜ばせる下劣な産業が集まったパリやニースがテロリストの犠牲になって多くの人々が亡くなったことは偲び難いことだが、その原因は何処にあったのかはテロ行為を憎むことは当然として同時に、これまた別な方向でだが我々の逸脱した強欲な社会をも憎むべきではないのか。再度のテロを危惧するとともに、その原因である我々の文明の貪欲で腐敗した精神を破壊してこれを回避しなければ、勿論のことテロなども終わらないのは言うまでもないことだ。

【参考記事】
http://www.lesechos.fr/industrie-services/tourisme-transport/0211351172358-lhotellerie-francaise-affiche-des-resultats-tres-contrastes-selon-les-regions-2031756.php

http://www.leparisien.fr/faits-divers/sur-la-piste-de-son-mentor-02-10-2016-6167793.php
http://www.liberation.fr/france/2016/09/27/en-ile-de-france-quand-le-tourisme-baisse-le-chomage-monte_1512205