2016年10月4日火曜日

ガボンで欧州監視委員が ボンゴ大統領の秘密警察に盗聴

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎04/‎10/‎2016‎‎-17:43:21)アリ・ボンゴの秘密警察が、ガボンの大統領選挙の不正を取り締る欧州連合(Union européenne)派遣の特別監視団体に盗聴器を8月27日から大統領選挙の結果宣言がなされた日の9月23日まで仕掛けて録音していた20本ほどの記録がフランスの「日曜新聞」(JDD)によって暴露された。この盗聴録音から監視員たちが発見した点は、欧州派遣の選挙監視員らがボンゴの不正行為の事実を知っていたことを盗聴でボンゴが知っていたことだ。ボンゴは負けを承知していたらしく、対抗候補のジャン・ピングが、ボンゴに6万票先行していたのだが、ボンゴは3000票勝っているとして、まだ選挙結果が決まらない時点で、ガボンの内相が5500票差でボンゴがジャン・ピングに勝ったと発表していた。最終結果として公表する中で操作・改竄されたのだと外交官のローラン・バルディグイエ氏は、9日に「日曜新聞」(JDD)とラジオ・ヨーロッパ1のマイクの前で話している。

盗聴会話には対抗候補のジャン・ピング氏の投票結果を誤魔化す記録があったとされている。60人程の監視委員がガボンの9つの地方で選挙状況を部分的に確認していて、ボンゴの選挙基盤となっているオート・オゴウエ(Haut-Ogooué)地方では開票時に監視員たちは外に出ていたという。他所の地方の平均投票率が59,4%であったのに対しこの地方では97%もあり、ボンゴの得票は95,46%もあった。

盗聴記録の欧州議会への提出は今後2カ月以内に行われる。これにより親子二代の半世紀にわたる独裁と、ボンゴの選挙結果の勝利に国際社会の批判が高まっている。