2016年10月1日土曜日

P.ビュィソン: サルコジは青年暴動を使い政敵追い落としを演出

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎01/‎10/‎2016-13:52:48)サルコジ前大統領の諮問官パトリック・ビュィソン(Patrick Buisson)氏の書いた本「La Cause du peuple」がPerrin社から出版されて凄い人気なのか飛ぶように売れている。店頭から姿を消している。モデム(民主運動党)議長のフランソワ・バイル氏が29日にテレビに出演して、この本で、もし一つだけ言うとしたらそれはサルコジの内相時代にあった事件である。シラク後の政権争いで競争相手であったドミニック・ド・ビルパン元首相は大変な人気があった。それを追い落とす為に、2006年初めにド・ビルパン首相の進めていた若者の初雇用法案(CPE)に反対するデモは、その年の3月26日には駐車していた自動車が焼かれアンヴァリッド廃兵院近くでの大暴動となってやっと終わったのだが、これはビュィソン氏によると、サルコジによる演出劇であったという。このデモを鎮静させ取り締まるべき立場にあったサルコジ内相はそれとは反対に、白人青年らが黒人やアラブ人青年との衝突で危害が加えられ騒ぎが大きくなることを望んでいて警察の介入を控えさせていたと、ビュッソン氏が「La Cause du peuple」の本の中で書いている。これに対しバイル氏は、もしそれが本当ならばスキャンダルなことだと意見を述べた。
ビュィソンによると、これはサルコジの声の録音を忠実に起こしたものだと言っている。そこでサルコジは、「我々は、黒人とアラブ人の集団が白人の青年をアンヴァリッド廃兵院で危害を加えさせて置くことに決めた」と、当時パリマッチが重大な事件だとして報道していた写真を示しながら語ったという。またサルコジは「このアンヴァリッド事件はナポレン・ボナパルトのオーステリッツの戦いに匹敵する」とも語ったと話している。これらはサルコジの演出であったのだとフランス国営放送テレビA2のインタビューで答えている。

ビュィソン氏が何故サルコジ前大統領の録音をしたのかについては、多くの電話機が大統領官邸のテーブルの上には置いてある。手帳やノートにサルコジの話しを記録する者もいる。ジャーナリストなどは秘密裡にテープや録画をしている。私のしたのはそのような盗聴ではなくて、大統領の諮問官として間違いなく発言や指令を実行するのに必要であった。録音はビュィソン氏流の記録のやり方なのだと答えている。


別の反CPEのデモでは、カッスーと呼ばれる「壊し屋」に家電チャーンのダーティとゴー・スポーツ店に彼らに買い物に入らせて、その現場に内相であるサルコジが立ち現れて、若者たちの暴動に収集のつかないド・ビルパン首相の非力さと、対比させるというのである。

2007年の仏大統領選挙の第一次投票と第二次決選投票との間でサルコジ前大統領はパトリック・ビュィソンに、フランス極右派系国民戦線(FN)のジャン・マリ・ル・ペン総裁を呼ぶように話し、何が欲しいのか聞くように指示した。もし会う必要があるのであれば、私は彼に会おうと、2005年にはサルコジは側近の前で、「FNの価値はフランス人全員の価値である」と話していると言うのだ。

驚くべきとだが、「サルコジはジャン・マリ・ル・ペン総裁がこの仏大統領選挙候補者として出て協力できるように、市町村議員の支持署名が50ほど必要なので応援するように」国民運動連合UMP(今の「共和党」)議員を前に話しているという。

サルコジの危険な言葉が録音されて発表されたことで、26日にラジオ・ヨーロッパ1でインタビューを受けたサルコジは、こんなのには全然関心がないと答えている。
【参考記事】
http://m.20min.ch/ro/news/monde/story/31448256
http://www.lepoint.fr/politique/patrick-buisson-tance-nicolas-sarkozy-dans-un-livre-au-vitriol-27-09-2016-2071659_20.php
http://m.20min.ch/ro/news/monde/story/31448256