2016年10月10日月曜日

イスラム主義過熱者と「リストS」は無関係 市長の開示要求に内相が拒否

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎10/‎10/‎2016‎‎-02:39:18)ベルナール・カズヌーブ仏内相は9日の「日曜新聞」(JDD)のインタビューに答えて、この「リストS」情報は市長や民間への開示は絶対に開示しないと宣言した。これはこれまでにイスラム嫌いの右派系市町村の責任者がこのリストを知っておくべきだとし、ヘルベ・モウレー上院議員(UDI)からも、5日に「リストS」の開示提案が提出されていたものに答えたもの。カズヌーブ内相は、サルコジ前大統領の提案した「行政拘禁で、「リストS」の最も危険な者を監獄に入れることを国民投票で決めるべきだ」との提案に対し、直接答えて、「どんな犯罪も犯さない者をその意思があるとして牢獄に入れることは効果的でないばかりでなく、それは危険なもので、共和国の価値と憲法に違反するものだと」サルコジの思想を戒めた。


フランスでは「リストS」は、仏内務省管轄下のテロリスト対策も担当する国内治安総局(DGSI)が安全監視のために決めるもので、S1からS16までの段階があり国家機密になっている。しかしこの段階的な数字は人間の危険度には一致するものではなくて、裁判沙汰にならない警察介入の頻度数に関係づけられている為に誤解も招きやすいとしばしばいわれて来た。

フランスには人間性を番号付けして差別する思想は今のオランド政権には法的に不可能で無縁なものであって、この「リストS」は一様に全部イスラムは悪だとする偏見から用いられると非常に危険なものになる。
内相は難民受け入れで政府批判をする右派の一部の者の態度に触れて、フランスが難民を受け入れてカレ地区のジャングル・キャンプを解体して地方各地の受け入れ施設に振り分けるのは、人間の尊厳を失う危険なキャンプに住ませられないという責任性の問題であると話した。
【参考記事】
http://www.lemonde.fr/police-justice/article/2016/10/09/bernard-cazeneuve-refuse-de-transmettre-aux-maires-les-noms-des-personnes-fichees-s_5010617_1653578.html
http://www.lejdd.fr/Politique/Pourquoi-Cazeneuve-ne-veut-pas-transmettre-les-noms-des-fiches-S-aux-maires-815869
http://www.lexpress.fr/actualites/1/politique/fiches-s-cazeneuve-exclut-de-transmettre-les-noms-aux-maires_1838949.html
https://www.google.fr/?gws_rd=ssl#q=fiche+s&tbs=qdr:d&start=10