2016年11月2日水曜日

LC重鎮のサルコジ見限り宣言 ジュッペ支持者を裏切り者と呼べなくなった

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎02/‎11/‎2016‎‎-10:50:57)フランスの「共和党」(LC)の重鎮で人気のある元高等教育相を担当しパリ圏イルドフランス地方議員ヴァレリー・ペックレッスさんと元労働大臣で社会党員からも支持される現北部地方議員(LC)のグザビエ・ベルトラン氏とが、同党内での大統領選挙選抜投票では、サルコジへの支持を拒否しボルドー市長のアラン・ジュッペ仏元首相にプリメールの予選投票から支持すると11月1日に発言したことが話題になっている。最近サルコジは、モデム(民主運動党)議長のフランソワ・バイル氏に対して、2012年の仏大統領選挙で自分に投票せずにオランド氏に投票したとして、また今度はジュッペを支持しているとして裏切り者呼ばわりしたばかりだ。しかしこの二人のLC党内重鎮のサルコジ見限り宣言は、サルコジの昔の大臣であっただけに痛撃であった。サルコジが見放されているわけだ。もうジュッペを支持したからと言って、だれも裏切り者呼ばわりなどできなくなったということだ。


サルコジ時代に終焉を告げページをめくるべきだとの流れが党内に特に次期政権を狙う右派の中核となる優秀な人材から起きていることに注目すべきだろう。「共和党」(LC)内の№2の最重鎮だったナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)さんは、一早くジュッペ支持を宣言している。

ペックレッスさんはフランス国民のことを考えるとジュッペ氏が大統領として一番の選択となるとして、選挙では初めから応援することの重要性を指摘した。フィガロ紙「LE FIGARO」のインタビューで述べた。

彼女のジュッペ支援の重さは絶大だとテレビ(BFMTV)などでジュッペ氏のスポークスマンなどが解説している。同テレビによるとプリメールに議員支持数の不足ででられなくなったサルコジ前大統領の講演原稿を書いていた元エリゼ大統領官邸特別書記官アンリ・ゲイノ氏は、「共和党」(LC)外から独自に大統領選挙にでるという可笑しな態度をとっているが、ペクレスさんのジュッペ支持には一票も支持者が増えないだろうと影響の縮小化に努める発言をしたという。

サルコジの噛み付き役であったローラン・ウォキーエ氏はバイルのモデム(民主運動党)からの選挙支援が無かったのならば、オーベルニュ-ローヌ-アルプ地方議員には当選しなかったともいわれている。こういうウォキーエ氏はバイル氏を裏切り者と呼べないはずだ。今後の動きに注目したい。

プリメールの規則としてこれに破れた者は、勝利者を支持しなければならなくなっている。議員の支持者不足で、LCの予選選挙にさえ出られなかったのだから本来ならばゲイノは、「共和党」(LC)外から独自に仏大統領選挙に立候補する資格はないはずではないのか。ジュッペがプリメールで勝っても、負けたサルコジも仏大統領選挙に別途での出馬を許す前例をゲイノは演じる役目を担っているのだろうか。

右派の2017年の仏大統領選挙のLC内代表者を決める予選選挙(プリメール)は11月20日に、決戦投票は27日に行われる。

【参考記事】
http://www.lesechos.fr/elections/primaire-a-droite/0211451202342-primaire-a-droite-valerie-pecresse-soutient-alain-juppe-2039534.php

http://www.20minutes.fr/politique/1952943-20161101-primaire-droite-valerie-pecresse-soutient-alain-juppe

http://www.lemonde.fr/election-presidentielle-2017/article/2016/10/18/primaire-a-droite-bertrand-et-pecresse-penchent-pour-juppe-ou-fillon_5015694_4854003.html
http://www.liberation.fr/france/2016/11/01/pecresse-au-secours-de-la-victoire-de-juppe_1525572
http://www.bfmtv.com/politique/primaire-a-droite-pecresse-soutient-juppe-1054580.html