2017年3月8日水曜日

民主主義を破るフィヨン元仏首相の申告忘れ 7500百万円を「カナール・アンシュネ」が暴露

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎08/‎03/‎2017-9:14:10)億万長者の科学雑誌「二つの世界」社長マルク・ド・ルアシャリエレ氏からフィヨン元仏首相は無利子で返済期限無しで50万ユーロ(約7500万円)を2013年に借りこれまで返済しないで申告もしないでいたことが8日発売の週刊紙「カナール・アンシュネ」が暴露した。フランスの税法では760ユーロ(約11万円)を超える譲渡には申告の義務がある。公人財産の透明公開の義務で隠蔽したことにもなる。この科学雑誌「二つの世界」社というのは、フィヨン氏の妻ぺネロンさんが架空雇用で2012年5月から2013年12月にかけて20ユーロ(約3000万円)を所得してい会社だ。彼女がこの雑誌社を退職する2013年11月には退職賞与として29000ユーロ(約435万円)を受け取ったとカナール紙は言っている。退職するまで給料は支払われたが仕事らしきものはほとんど何もしていなかったという。また国会議員アシスタントとしての仕事は何もしていないでその給料は貰っていた。しかし当時の英国紙のジャーナリストのインタビューではペネロン婦人は仕事は何もしてなかったと答えていた。


仏財政汚職局の1月30日の調べで、フィヨン氏はこの50万ユーロ(約7500万円)のことは言うのを忘れていたらしい。3月7日夕刻、フィヨン氏の弁護士は今回の暴露にいち早く対応し、金は既に全額返済したと述べ、「カナール・アンシュネ」の情報は誤っていると批判した。しかし弁護士はいつ返済したかは述べていない。フランスの地方紙でも左派系の「シュッド・ウエスト」紙によると、この億万長者マルク・ド・ルアシャリエレ氏はフィヨンが首相であった時代にレジョン・ド・オヌール勲章をもらっていると書いている。

これはベッタンクール事件の時と非常によく似ていると思われる。サルコジ前大統領の最側近のエリック・ブルト元財務相はその妻エレーヌさんがベッタンクールさんの財産管理会社に就職できたが、そこの社長マイストル大富豪もレジョン・ド・オヌール勲章を貰っていた。

ベッタンクール事件とはフランスの化粧品会社の大手ロレアルの大株主で仏第2位の富豪のリリアン・ベッタンクールさんが娘のフランソワ・ベッタンクール・メイヤー(Françoise Bettencourt-Meyers)さんから、母親の取り巻きが自分に来る財産を横取りされてしまうのではないかとの疑いから裁判が始まったもので、盗聴器を召使頭を使ってベッタンクールさんと彼女とその友人たちとの会話を録音したもので、当時このテープのコピーが流れたことから管財人マイストルからブルト財務相などへの現金手渡し事件が浮かび上ってしまったという事件で、サルコジや他の有名な議員の名前も挙がって事件は家庭内争議を超えて凧の足の様に拡大し多くの人が裁判所で裁かれた。

これまでに、フィヨン元首相の婦人ペネロップさんは、夫の議員アシスタントを辞任する1カ月前の2013年10月に、フィヨン氏の知り合いで億万長者のマーク・ジュラー()氏が経営するの編集員として2012年5月から2013年11月に退職するまで完全雇用契約がなさて両方から給料をもらっているのがわかった。そして彼女がこの雑誌社を退職する11月には退職賞与として29000ユーロ(約435万円)を受け取ったとカナール紙は言っている。お金に清潔なイメージでジュッペやサルコジの過去の起訴事実を批判したフィヨン元首相であったが、3月15日の裁判所出廷を前に更なる悪義が暴露されている。その中でフィヨンの哲学はポピュリズムなので裁判所や警察やジャーナリストの暴露などは眼中にないのである。あるのは自分を支持するのが民衆で、彼等が自分を裁断できる唯一のものであるというもで、法治国家の民主主義が脅かされている。
      
【参考記事】
http://www.lecanardenchaine.fr/la-une-du-8-mars-2017/
http://www.bfmtv.com/politique/francois-fillon-n-aurait-pas-declare-un-pret-de-50-000-euros-1116885.html
http://www.sudouest.fr/2017/03/07/affaire-fillon-nouvelle-revelation-du-canard-enchaine-3256545-6121.php
http://www.lepoint.fr/politique/francois-fillon-la-derniere-revelation-du-canard-enchaine-07-03-2017-2110018_20.php