それは1日は朝8時からパリ西部のポオート・ド・ベルサイユで開催中の農業物産展を訪問することになっていたからだ。これが急に中止されてフィヨンを待っていたジャーナリストたちは何の知らせもなく、大統領選挙戦から降りるのだとの噂も流れていた。フィヨンの記者会見での話は自分の公金汚職を棚に上げて、これを取り締る裁判所にたいする批判として、猿轡をされたとか排除だと民主主義が殺害されたとかの激しい言葉が使われていた。フィヨンは2017年の仏大統領選挙のLC内代表者を決める予選選挙(プリメール)の運動の最中に、サルコジを追い落とす為に「起訴されたドゴール将軍など聞いたことがない」「自分が起訴されたらば大統領選挙候補を辞退する」とまでいっていたが、今はその気は全然なく嘘であったことがわかる。
不思議なのは、この口車に乗せられた「共和党」(LR)の運動家や支持者やこれをあくまでも支援しようとする体制メディアが今もあるということだ。しかしよく見るとフィヨン周辺からは大物政治家らは支援をしなくなっている。サルコジ前大統領は当然だが元エリゼ大統領官邸特別書記官アンリ・ゲイノ氏はフィヨンを批判し始めている。フィヨン同様に極右派のマリーヌ・ル・ペンFN総裁も欧州議会の架空雇用事件で告訴されそうだが、これまでは議員特権で保護されていたのだが、欧州議会ではこの特権剥奪を決議する動きがあり実現しそうだ。
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【参考記事】
http://www.liberation.fr/apps/2017/03/compteur-lacheurs-fillon/http://france3-regions.francetvinfo.fr/paris-ile-de-france/paris/anne-hidalgo-appelle-fillon-renoncer-au-rassemblement-du-trocadero-1207755.html
http://www.liberation.fr/france/2017/03/04/la-semaine-ou-francois-fillon-a-annonce-sa-future-mise-en-examen_1552822