2013年11月12日火曜日

多くの読者に支えられ、60周年迎えたテレラマ、フランス知識人の主観のシンボル

テレラマはフランスのラジオ・テレビの総合案内週刊誌だが、それだけでは言い尽くしたことには全然ならない。戦後のラジオ・テレビ・映画の大衆メデアの時代の中に誕生し、それらのメディア文化の洪水をキリスト教の道徳的倫理で解析し批判する足跡を印してきた。その意味では客観を考慮しながらも文化的価値の主観性に基づいたメディアともいえる。60周年を迎えるテレラマは現在65万人の購読者がいる。多くは熱心な長期の購読者であるという。ルイ・ビトンやヘルメスの紙袋を手にするのとは異なって、文化と知識の象徴(シンボル)とフランスでは考えられている。(本文の初出 /公開日時: 2010年7月3日 @ 0:56   )


Télerama 60周年 3155号

現在の編集長はファビアンヌ・パスコさんで、2日、昼のフランス国営放送・テレビA2に出演しその心境が語られた。どうして構成がいつも同じなのかとの問いには、毎回の読者が読みやすいように、どこに何が書いてあるかが分かりやすいようになっているという。初めは専門家の書いたものではなかったのだと意外な発言があった。

テレラマは昔はテレラマの記者のものだけでしかなかった。次第に文化を向上させ、未来の世界を考える使命を帯びた雑誌に変わっていったという。

テレラマは一般の新聞や週刊誌が追うスクープ記事は書かないことが編集方針にあるのだという。時事的な関心というよりは、人々の身近で隠れた問題関心をテーマに扱ってきたのだと30年間同社に努める編集長はいう。
日曜新聞(JDD.fr)によるテレラマ編集長へのインタビューによると、現在の読者数は230万人相当が考えられていて、この多い読書数によってテレラマの独自性が保証されているのだという。
テレラマはクーリエ・インターナショナルなどと同じルモンド紙のグループに所属する6月28日ルモンド紙の売却先が決定した事に関しては、同編集長は、私たちも全く賛成であったし、三人組みの提案は、我々の要求とかけ離れていて注意しなければんらないが、それでも満足なのだと答えている。
三人組みとは、ルモンド紙のエリック・フォトリノ社長が同社の編集長に説明した中で、「サルコジ大統領は、自分の目からは入札があったピエール・ベルジェとマチュー・ピガス、グザビェ・ニエール各氏は適当でない」と言っていた三人のことである。このことで、メデアへの大統領の介入が問題視され、ルモンド社内で抗議の声が高まっていた。
アンロクチーブル(Inrockuptibles)との競合は?との質問には、このほうは読者層が30代で部数は5万部である。内容をニュース批評専門に変えたいと三人組みのマチュー・ピガス氏がいっているので、問題ないと話した。テレラマの読者層は45才以上で家族が対象と答えている。

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(参考記事)
フランス国営放送・テレビA2
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